・一部上場企業の8割のクレームを1人で対応
・銀行に転職後2か月でコールセンター管理職のスーパーバイザーへ昇格
を経験した筆者が何を意識してトークしていたかをお話ししてきます。
目次
- クレーム対応の基本的な3つのポイント
営業や接客、コールセンターなどお客様と直接かかわる職種の方々にとっては
クレームへの対処方法を知っておくことは非常に重要です。
もちろん実際にクレームが来た時に対処ができるということもありますが、
対処方法を知っておくことで、精神的に余裕をもって業務に取り組めるからです。
もちろんすべてのクレームに対してこうすればいいなんて一元的な方法はありませんが、
ある程度共通した基本があるので覚えておきましょう!
相手のクレーム(主張)を最後まで聞く
一番重要な基本にして極意です。
相手の主張を正確に把握していないと社内や上司と確認するうえで困りますし、
ズレた回答を相手にすると「理解してもらえてない」と火に油を注ぐことになります。
この部分で最初にきちんと相手の主張を把握し、きちんと聞いている、
理解しているという姿勢を示すことによってクレーム解決の時間を短縮できるかどうかの要になります。
特に感情的な相手の場合はその感情も「そうですよね」「ご不快な思いをおかけし申し訳ございません」
と理解する姿勢を示してすべて傾聴し、自分(自社)の主張はすぐに伝えないようにしましょう。
こうすることで相手は理解しようとしてくれている。という安心感を得ることができます。
また、怒りの感情というのは長くは続きません。
人間は怒りの温度が高ければ高いほど短い時間しか怒ることができないのです。
実際2時間も3時間も大声で怒鳴ると非常に疲れますよね?
このことを理解しておくと、「あ、この人温度高いから適切に対応すればすぐ収まるな」と余裕を持つことができます。
実際私が上場企業のクレーム対応を1人で8割こなしていたことがありますが、
その際にも温度感の高いひとほど余裕をもって対応できました(笑)。
まずは徹底的に相手の話を聞く。このことを心がけましょう。
限定謝罪や条件付けの同意をする
クレーム対応をしていると、相手から謝罪を要求されたり、
お詫びの気持ちを示す必要がある場面というのが多々あります。
その際にただ「申し訳ございません」と謝ってしまうと、
「今、謝罪したな!そっちに非があるってことを認めたな!」と言われるリスクがあります。
もちろん「謝ったからすべて非を認めた」ということにはなりませんが、
余計な手間や時間をとられることになりかねませんし、
場合によっては不利になる可能性も0ではありません。
そこで有効なのが「限定謝罪」です。
私が良く使っていたのは、「ご不快な思いをおかけし申し訳ございません。」というものです。
相手の主張する「こちら側の非に対しての謝罪」ではなく
「不快な思いをかけた」ことに対しての謝罪ということです。
また、この応用として、条件付けの同意があります。
クレーム対応の際に相手が「あなただったら嫌じゃないですか?」というように同意を迫ってきたとします。
その場合は、「もし〇〇だった場合は、もちろん私でも嫌な気持ちになってしまいます。」というように、
「仮に」「〇〇だった場合は」という条件付けをしたうえで同意を示しましょう。
その際に言い方も重要で、ただ条件付けをしただけだと事務的で無機質な回答になり、
相手に不快感を与える可能性があります。
そこで、「そうですよね。もし〇〇だった場合は、私でも嫌な気持ちになってしまいます。
きちんと確認し、対応させていただきますので詳しくお伺いしてよろしいでしょうか?」
などと柔らかい話し方で相手が話しやすい口調を心がけましょう。
これはクレーム対応だけでなく日々の話し方でも、
リスクのあるものの説明をするときに有効なので覚えておくといいと思います。
自分の権限を把握する
製品があるものを扱っている場合は、返品受付までOKなのか交換までなのか。
割引券や無料券の提供までOKなのかなど、企業によってラインがあると思います。
そのうえで、相手の主張を聞き、どこまで求められているかを把握できれば、
社内(上司)確認が必要か、自分で収束できる問題かを振り分けることができます。
自分の権限で解決できないときは、相手の「気持ち」は個人として受け止めて
「主張」についてはきちんと確認して会社等の組織として対応するという姿勢を持ちましょう。
最後に、繰り返しになりますが、クレーム対応の基本は
きちんと相手の主張や感情を聞いてあげることが最も重要になります。
相手の主張や感情を受け止めて、きちんと聞ききるようにすることで解決への近道になりますし、
その後にいい関係が築けるかどうかも変わってくるので、
逃げようとせずに傾聴してから対応を判断するようにしていきましょう。